Sigma DP2で撮り始めてからまだ10日ほどしか経っておらず、操作もまだ慣れていない。”Expressions”で、9月4日付け分から現在までに掲載したものはDP2で撮ったもの。

掲載データ(すべてJpeg)は、アップロードすると元サイズ 2640×1760ピクセルから、2048×1365ピクセルに、約60%縮小されているので、以下述べることが分かりにくいかも知れないことをお断りしておく。元サイズを表示できる方法を思案中なので、いい方法があればメールででも教えていただければ有り難いです。
DP2で撮ったものと、この間使ってきたOlympusやLumix系で撮ったもの間には違いを感じる。ただその違いは大きな違いではなく、言ってみれば微かなもので、言葉で表現するのは難しい。全体から漂ってくる、あるいは匂うものとでも言うべきか。しかし違いは確かに存在しており、しかもそれは(おそらくは)撮る者にとっても、観る者にとってもより好ましいのだ。これでどんな効果が生まれるかといえば、撮り手がデータを見るときに、なにかしら新しい発見があることが多く、撮る楽しみが増えることだ。
この違いがどこから生まれるのかといえば、やはりセンサーの違いから来るものだろう。
これまでよく使ってきたOlympusとPanasonic系カメラのセンサーサイズはマイクロフォーサーズだが、DP2のセンサーは APSCなので取り込む情報が多くなる。さらに前者のセンサーの光の取り込み方法が Beyer配列 と呼ばれ、センサー上の一枚のカラーフィルターに赤、青、緑の三原色をタイル状(モザイク状)に配列するのに対し、後者は Fovion方式とよばれ、それぞれの原色ごとに三層のフィルターに取り込む。Beyer配列だと、三原色の取り込み割合が違うので、それぞれの色が欠如する部分が生まれ、それを補正しなければならないのに対し、fovion方式だとそれぞれ100%で等しくなるので補正の必要がない。当然ここから諧調や解像度の違いが出てくるだろう。
しかしBeyer配列も年々技術が向上しているので、画像表現上の違いは次第に縮小し、ほんのわずかの違いになっている。カメラメーカーのほとんどがなぜBeyer配列のセンサーを採用しているかといえば、コスト、操作性でFovion方式に優っているからだろう。
実際、撮ってみると、逆光に弱く、コントラストが薄いいところではピントが合いにくいし、ISO感度も100が基準になる。夕方からの撮影では、三脚が必須になるだろう。また取り込み情報が多くなるので、SDへの書き込みも時間がかかる。つまり、一般のBeyer配列センサーを搭載しているカメラと違って、バンバン撮っていくことは難しい。これらは欠点というより、弱点だが、面倒だと感じる撮り手は多いだろう。だがこれらの弱点にも関わらず、上に述べた理由で、魅力的なカメラであることは間違いない。