いい写真とは何だろう、という問いはビギナーを悩ますものの一つで、たぶん一番大きいかも知れない。
これと結びついているのが、いい写真を撮るためには、センスが問題なのか、それともカメラやレンズなどのデバイスの良さが問題なのかという問いである。
センスがあってデバイスもよければ言うことなしだが、両方備えているビギナーは少ないだろう。実際には、私のように両方とも欠けていることが大半ではないか(笑)。だから悩みは尽きないことになる。
ただデバイスの要素が大きいことは、ここ数日、E-M5からNex-5Rにカメラを変えて散策撮りをしてみてあらためて実感した。Nex-5Rも古いカメラだが、解像度も、被写界深度もE-M5より優れている。それだけでなく、フルサイズのEOS 5Dと互角の画を出してくることも多い。フルサイズは万能ではないわけだ。たとえば昨日撮った「岬の突端」とタイトルをつけてみた写真の解像度や緑の階調はフルサイズで撮ったものといっても十分通用するだろう。(写真はNex-5R)
画家の作品が絵の具の良し悪しで左右されることはない。多少の差はあれ、ほとんどの画家は同じコスト、品質の絵の具を使うからだ。ところが写真ではデバイスの差が大きい。つまり必ずしもセンスがいいとはいえないビギナーでも、いいデバイスを持っていれば、それなりの水準の写真を撮れてしまうということである。ここに絵画などと異なる写真の特質が横たわっていると思う。